最近はベースメイクアイテムも新感覚のものがたくさん販売されるようになりました。
今回は、今までSNSであまり発信してこなかったけれど、私の中でタブーだと思っている「ファンデーションのMIX」についてお話ししていきます。
ファンデに別のコスメをMIX
保湿力アップのためにオイルを数滴加える
光沢を出すためにラメ下地を加える
色味を明るくするためにトーンアップクリームを加える
こんな紹介文を目にしたことはありませんか?
そもそも、混ぜることを前提として、同じシリーズの中でベースと加えるアイテムが展開されている商品もありますし、「ファンデに混ぜてもOK」と記載してある下地やクリームもあります。さらに、最近はオリジナルで「これにこれを混ぜて使っている」と紹介している方もいますよね。
「使わないファンデも活用できそう!」「ファンデの機能性が高まりそう!」と魅力的に感じる方も多いと思いますが、私は正直言っておすすめできません……。
自分好みにできるのになぜダメなの?
ファンデーションに限らずですが、化粧品は「何の成分を採用するか」はもちろん、「どの成分とどの成分をどれだけの割合で配合するのがより良いか」など、かなり細かいところまで仮説検証して作られています。
安全性・耐久性・見た目の仕上がり・肌への効果など、各分野のプロたちが一番ベストな形として完成させているのが、実際に手に取る商品なので、そのバランスを自ら壊すのはもったいないと思っています。
ファンデーションは大きく分けると、「水分」「油分」「顔料(微細粉末になった色素)」で構成されています。
3つのうちどの割合が多いかでテクスチャーが変わるのですが、その割合も「2:2:6」のように簡単なものではないのです。「2.43 : 3.13 : 4.44」みたいに、目分量では無理!というような細かさで設計されているんです。
そのため、オイルやクリーム・リキッドなどを新たに加えることでこの黄金割合が崩れてしまうのは当然のこと。ヨレないように・ムラにならないようにと均衡を保っていたのに、良かれと手を加えたことによって、テクスチャーだけでなく仕上がりや持ちまでも変わってしまいます。
割合だけではなく、「水分」「油分」「顔料」の中でも、どんな水・油・顔料にするのか、どんな油とどんな顔料の相性が良いのかなど、種類と相性まで考えなければいけません。
もしも自分が加えたコスメのベースとなっている成分が、相性の悪いものだったら?…もちろん、仕上がりや持ちが悪くなってしまいます。
形状について先にご説明しましたが、主成分以外に関しても同じことが言えます。
美容成分や天然成分が多く配合されている化粧品だった場合、プラスの効果だけが増していると感じるかもしれませんが、こちらも相性の悪い成分などがあったりします。
日本の化粧品は、かなり厳しい審査を通ってやっと販売されているのため、肌が一気におかしくなったりするというほど成分が強いものはありません。しかし、肌が敏感な方であればちょっとした変化でも、痒みや赤み・乾燥を感じる恐れがあるので要注意です。
また、化粧品には防腐剤や、防腐剤でなくても殺菌作用を発揮してくれる成分が配合されています。こちらも全体の分量に合わせて配合されているため、劣化スピードが一段と早くなってしまうかもしれません。(その都度混ぜるのではなく、小さなケースに一気に混ぜておく場合)
実際に混ぜた時の感想は?
こちらは1例ですが、「ファンデーション×ラメ下地パターン」です。
混ぜ合わせる時点で分離したり変色してしまうものはほとんど無かったので、この時点では綺麗に仕上がりそうな感じがします。
しかし…!
しばらく経つとダマになってしまったり、分離してしまったり、上手く混ぜ合わせることが出来ないものもあります。さらに、周りの部分を見てもらうとわかりやすいですが、シワ落ちしたり綺麗にフィットしそうな感じがありませんよね。
肌に乗せた瞬間でこれなので、数時間後を考えるともっとヨレてしまいそう。
※わかりやすく撮影したので、ここまでゴロゴロとダマになることはほとんどありませんが、分離してしまうことは多かったです。
もしもMIX技を活用するとしたら…
ただし、「オリジナルで調合しても100%良いものにはならない」というわけではありません。
1.自分なりに研究を重ねてベストな割合を見つける
MIX技を紹介しているメイクアップアーティストの方や美容家さんは、そもそも研究量が全然違います。
日々たくさんの商品を触って、たくさんの人にメイクアップを施して、豊富な知識を活用しながら経験を織り交ぜて、ベストなMIXの法則を見出しています。
混ぜ合わせて使いたいと思っている方は、「このファンデーション○プッシュにオイルを△滴」など、少しずつ研究を重ねて、オリジナルの組み合わせと割合を見つけていきましょう。
2.同じ種類のファンデの色違いを混ぜ合わせる
私が唯一OKだと思っているのが、「全く同じシリーズの色違いを混ぜ合わせて肌色を調整する」MIX技です。
ベースとなっている成分が同じなので、成分同士が喧嘩することも少なく、分離もしづらいです。
3.肌への効果を重視して仕上がりは妥協する
仕上がりを重視するのであれば、基本的には元の状態のままで使う方が綺麗に仕上がると思っています。
しかし…。
例えば、「お肌が乾燥しすぎて、かなり状態が悪いけれどメイクしなければいけない」など、お肌への効果を重視して混ぜようと考える方もいると思います。そういう方の場合は、仕上がりや持続性は少し妥協するつもりで混ぜてみてもいいかもしれません。
混ぜ合わせることによってデメリットも生まれるので、基本私はおすすめしません。プロがメディアで紹介していた組み合わせなど、信頼できる情報からトライするのがいいと思います。
まとめ
「混ぜ合わせるのをおすすめしない理由」分かっていただけましたか?
もちろんケースバイケースなので、偶然かなり良い組み合わせに出会うこともあるかもしれないし、そのきっかけすら無くしてしまうのはもったいないかもしれません。
ただ、多くの方がメイクだけの研究を毎日ずっとは続けていられないと思うんです。
MIX技を使う人も使わない人も、情報をうまく取り入れながらベースメイクを楽しんでください♪